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Author. ひまわり 娘の成長やお出かけの記録、そしてペットの事など日々の些細な事を書いています。

by ひまわり

出産記録ー5

本当は年が明ける前に終わらせたかった出産記録の続きです。
興味のある方だけどうぞ。



子宮口が10センチになっているとのことで、これまで横向きで陣痛に耐えていたのだけどこれからはいきむため仰向けに体勢を変える。

それまでは陣痛がきたらとにかく息を吐くことに意識を集中してたけど、それからは陣痛時は息を止めていきまなければならない。でもなかなかその切り替えがうまくいかず最初はミッドワイフからいきみ方を指導された。
それからこちらの分娩台は映画でよく見るような足を乗せる台もない単なる普通のベッド。
自分の手で自分のひざの後ろを抱えるように指示されるのだけど、ただでさえお腹大きいのにそんなジムナスティックな格好、それに汗で手がすべるしほんとやりずらい。
ちなみに今思えばあの出産体勢は手の長いオランダ人にはいいかもしれないけど、日本人にはどんなもんだろうかと思ってしまう。

仰向けになっていきみはじめたとたん、それまで陣痛と陣痛の合間はほとんどなくなっていて苦しみっぱなしだったのに、いきみはじめてからは陣痛と陣痛の合間ができはじめ、その間は痛みがまったくない状態に。
この変化には横で見ていた鉄っちも驚いていた。
かと行って決して楽になったわけではない。
陣痛を仰向けでやりすごすというのは一番辛いこと、それをしかも上に書いたような苦しい体勢でなおかつ横にいたクラームゾルフのナースがお腹を押してくるし。

しばらくしてミッドワイフが出産時用のいきむための椅子をすすめてきた。便座のような形してるやつ。
それにすわっていきむほうがかなり楽だった。でも背もたれがないので疲れる。
そんなわけで椅子とベッドを行ったりきたりしながらいきむこと1時間くらい。
ミッドワイフが
「一歩進んで2歩さがるってな具合ねぇ~。」
と、なかなか出てこない様子であることをほのめかす。

その後、椅子をつかっていきむのはやめましょう、とミッドワイフに言われベッドでのみ集中。
かなり辛かった。
一回の陣通時、だいたい3,4回連続して思いっきりいきむのだけど、これを何度繰り返しただろう。
何十回、いや何百回かも・・。
だんだん体力も限界になってきて、もう力も入らない。
そんな私を元気づけるかのごとく、
「もうすぐだよ、赤ちゃんおりてきてるよ」
って鉄っちもミッドワイフも同じことさっきから何回も言ってる。

映画で見る出産シーン、それは医療服きた医師、あるいは助産師がいて、明るい照明の中、足を乗せる台のついた分娩台の上で格闘、そんなイメージ。
それなのに今の私なんて、普段着を着たミッドワイフ、クラームゾルフのナース、鉄っちの3人に囲まれて、ホテルの1室みたいなちょっと薄暗い照明の中、普通のベッドの上で必死でもがいている。
こんな雰囲気の中ほんとうに赤ちゃんおぎゃーって生まれてくるんだろうか。

あまりにも長いこといきんでいたのでそんなふうにさえ思えるようになってしまい、もうだんだんどうでも良くなってくる。
そんな中、とうとう、
「赤ちゃんの頭、ダークヘアーが見えてきたわよ!」
とミッドワイフ。
「そんなにダーク?」と鉄っち。
「いえ、そんなすごいダークってわけじゃないけど」

ってそんな会話が聞こえてくる。
私はもうダークヘアーだろうがなんだろうがどうでもいい。
さっさと生まれてくれ~、という気分だった。


頭が見えたんだからもうすぐだよね。
そう思って期待してたのに、実際はそれからも長かった。
正確にはどれくらいだったか覚えてないけれど、赤ちゃんが今どこら辺にいるのか自分では全然わからず、ミッドワイフも「もう少しよー」ってさっきからそればっかりだし、本当に生まれてくる気あるのかこの赤ちゃん。

そしてついに!
もう諦めとやけくそモードで立て続けに5回以上連続していきんだらポンって赤ちゃんが生まれたらしい。
「大きな目!!」とミッドワイフ。

中ばあきらめモードだった私は、
「えっ、今ので生まれたの!?」とちょっと意外だった。
そしてすぐに赤ちゃんが私の胸におろされるまでの間真っ先に考えたことといえば、

「えっ、このヌルヌルした生き物を今から私が抱っこするの!?怖いよぅ」
だった。 (生んですぐには母親の自覚はありませんー笑)

でも私の胸に下ろされたとたん、その生暖かい感触になんともいえない気持ちになって涙が出てきた。
やっと赤ちゃんに会えた感動の涙というよりは、やっと終わったー!という安堵の涙だったように思う。

時間は朝の6時35分。
いきみはじめてから約2時間半。
ほんとーに長かった!!
あとで鉄っちに言われて知ったのだけど、最後ミッドワイフは麻酔して会陰を切開していたらしい。
言われてみればそんな痛みがあったような気もするけど・・どうやらほんとに皆がいうように、産むときの痛みというのは会陰切開の痛みを気づかなくさせるほどのものらしい。
それからオランダのミッドワイフは通常滅多に会陰切開をしないらしいのだけど、私の場合すっごく時間がかかっていたので、これ以上時間がかかるといきみすぎて私の頭の血管が切れてしまわないように少しでも出産を早めるための配慮だったらしい。


胸の上の赤ちゃんは生まれてすぐ元気にギャーギャー泣いていた。
そして、ギョローンって目玉を動かしてゆっーくり天井を見上げていたときの表情が今でも忘れられない。
「あれ?ここはどこ?」って。

その後、ミッドワイフが赤ちゃんの体重を量ると3400グラム。
オランダでは生まれてすぐ赤ちゃんを伸ばしてはいけないという理由から身長測定はなし。
生まれたらすぐお風呂に入れるのかな?と思っていたけどそれもなし。


あーやっと終わったのね!
と測定などを終えて再び私の胸にもどってきた赤ちゃんを抱きながらしばらく感慨にふける。
鉄っちは半べそかきながら動画とってる。
そんな中、ミッドワイフが
「胎盤がなかなか出てこないのよ」
と何やらまだなんかやっている。


まだ続きます。
by ohanabatake2010 | 2012-01-07 07:40 | マタニティ・出産